消費 2024 冬
15 April, 2025
中学生の頃に読んだ漫画の内容を覚えていますか?
私は全て忘れました。
ドラゴンボールとか何も思い出せない。いや、かろうじて「ギャルのパンティおくれーーーっ!!!!!」だけ覚えているけど、他のシーンでどれだけ感動したかとかどういう感想を持ったとか本当に覚えていない。
悲しくて近頃は感想を数行でも書いている。
最近消費して良かったもの。ノンジャンル。
DEATH STRANDING
6月発売の DEATH STRANDING 2 のトレーラー を偶然観たら「あ、これ絶対好きじゃん……」となって前作の DEATH STRANDING やったことないのに5回観た。
で、よくわかんないまま買って、ゲームスタートしたら主人公っぽいイケオジのCVが、ツ……ツダケン?!?!???!
え、主人公がツダケン?!??!?!???!??!?!?!?!?!
……惚れた。マジでこれだけでやる価値ある。
そして、どうやらこのツダオジは配達人を生業にしているらしい。
「ツダケンボイスを耳に"お届け"してくれるってワケね……」
とかくだらないことを思いつつ、実際何を運ばされんのかと想像していたら、ついさっき死んだ母親の遺体だった。 お狂いチュートリアル。
そこからツダオジ配達人が荒廃し大自然と化したアメリカを横断して、"死"に関連するテクノロジーを使って世界を繋いでいく……。
CGは実写と錯覚するクオリティで、操作感もホンモノの人間を動かしていると思わせるリアルさ。演出も魅力に溢れていて、ゲームやってて久々に鳥肌たった。
あと不意に流れる Low Roar の BGM も良すぎて、こめかみの謎の筋肉が痙攣した。
というかもうゲームじゃなくて映画だよこれ。 「ゲームという媒体で映画作っちゃいました」っていう表現。 ディスプレイがデカければデカいほどエキサイティング。
映画館でやらせてくれませんか?
イマーシブ・フォート東京『ザ・シャーロック』
「体験型演劇ってなんですか……?」って感じだったんだけど、そのテーマパークに行った。『ザ・シャーロック』はその講演の一つ。
正直お台場にあるから舐めていた、ごめん。
「中高生向けね〜」ぐらいの期待値で行ったらボコボコにわからされた。
演劇なんだけど、ただの演劇じゃない。舞台に観客が参加できる。
ふつう演劇は舞台と観客席に分かれているけど、そうじゃなくて、色んな部屋やお店のセットがある広い空間が、そのまま舞台になっている。 そこで20人ぐらいのキャストが同時多発的に劇を繰り広げる中を、観客は縦横無尽に動き回れる。
まず、その舞台となる空間がアホほど広い。広すぎて笑える。1階と2階があるし。
で、この講演はシャーロック・ホームズの世界観だから、ようは殺人事件が起きている世界を観客は神視点で探索できる。
ある部屋では主人公のホームズと警察が事件について考察していたり、あるバーではお嬢様方が世間話をしていたり。 観客はそんな舞台を探索しながら事件の"真相"をみつける。 とにかくすぐ目の前でキャストの演技を観れるから臨場感がハンパない。
しかも、一部インタラクション要素もあって、モブになることもできる。 連れの一人はお嬢様の弟かなんかとして連行されていた。
どの人物についていくかで得られる情報が全く変わってくるし、途中で別の人物に切り替えても良い。 このゲーム性が面白さを加速させる。 そんなだからメモ帳片手に挑む周回ガチ勢っぽい人もいた。
終わった後、「あぁ、俺は演劇を"体験"したぜ……」って感想を抱く。 新しいエンタメだった。
この施設は『ザ・シャーロック』以外にも色々な講演があるけど、この講演がダントツで好き。 先月第二幕が追加されてボリュームアップしたらしい。また行きたい。
二階堂地獄ゴルフ
福本伸行の新作。
地獄。
ハイテンポな地獄。
所属クラブの支援を受けながらプロゴルファー試験に10年連続不合格の二階堂進、35歳。その地獄をひたすら見せられる。
そして3巻から革命が起きる。 福本伸行の他の漫画を読んでいれば、特に。
この令和にこんな前フリの長い漫画描く人いる?
漫画家としての圧倒的自信。 いや、この前フリの長さは最適なんでしょうけど、それでもやれるんだ。
こういう、スポーツは題材にしているけどスポ根とは別角度の作品好きすぎる。 『ダイヤモンドの功罪』とか。 もっとください。
バグエゴ
ONEの新作。
俺たちが生きるこの現実世界そのものにもバグがあるんすよ、それをハックしようぜ、って話。
「自販機に60円突っ込んで特定の順番でボタンを押したら鳥の糞が降ってくる」みたいなクソみたいなバグ、もとい、クソのバグ。 そういうバグを集めたり、試したりする。
真のリアルワールドバグハンティングがここにある。
パソカタオタクには激アツな設定。 実際「現実世界にもバグあったらどうなるかなフフフ」って厨房の頃に妄想していたし、それがストーリーになっているだけで面白い。
ところでワンパンマンが1年分話が吹き飛んでビビりました。ONEはイカれている。
午後の光線
1巻完結の漫画。
BL漫画だけど、BL漫画じゃない。
漫画だけど、漫画じゃない。
なにか別の次元の……純文学ならぬ純漫画だった……。
なにこれ。
一次元の挿し木
ミステリー小説なんだけど、あらすじがもうおもしろい。
ヒマラヤ山中で発掘された二百年前の人骨。 大学院で遺伝学を学ぶ悠がDNA鑑定にかけると、四年前に失踪した妹のものと一致した。 不可解な鑑定結果から担当教授の石見崎に相談しようとするも、石見崎は何者かに殺害される。 古人骨を発掘した調査員も襲われ、研究室からは古人骨が盗まれた。 悠は妹の生死と、古人骨のDNAの真相を突き止めるべく動き出し、予測もつかない大きな企みに巻き込まれていく――。
『星を継ぐもの』を想起させる大謎。
とにかく話の展開の仕方やテンポが巧妙で、めっっっちゃ読みやすかった。
正直ストーリーは好みじゃなかったけど、それ以上に小説の構成が綺麗で、読者の脳味噌を掌握するにはこうすればいいのかという感心があった。
なんか自分も小説を書きたくなった。書きません。
しかのこのこのここしたんたん アニメ 1話
人の家で「そういえば観たことないし、どうせフザけた作品だろうから、適当に流し観るか」と油断していた俺の前頭前野を鹿の角が貫通した。
でも2話以降は見ていない。
直感が「1話が面白さの絶頂である」と告げているから。
そんなことはない、と期待していつか続きを見ます。
漫画も気になって読んでみたらそっちはマイルドで、イカれてたのはアニメだった。
よくわかんないけど『+チック姉さん』また読みたくなった。 頭にプラモ乗せてるからか。
侍タイムスリッパー
インディペンデント映画。
前評判もあらすじも一切知らずに観た。 キャッチーなタイトルから、頭空っぽコメディかと思ってた。 違った。
落雷に打たれた侍が現代にタイプスリップしちゃって、時代劇に激ハマりして"斬られ役"になる話。
普通、過去から未来へのタイムスリップものでこんなタイトルの作品って、現代の文化や技術に驚く様子を面白おかしく描きまくる安直な話になる偏見があるんだけど、この映画はそうじゃなくてSUPER COOLだった。
その様子を省いたことで、ある種のリアリティを無くしているんだけど、そのファンタジーさが逆にめちゃくちゃ良くて、話の展開が予想できなくなっている。
しかも主人公の侍役の山口馬木也の演技がとんでもなくリアル。
時代劇とタイムスリップものと異世界無双のイイトコ取りな作品。 古くて新しくて、老若男女楽しめる。 良質な邦画を浴びた。
たった2600万円でこれ作れるのすごすぎる。
インドシナ料理
インドシナ、そぉーれ!ここ
ベトナム・カンボジア・ラオスの三国の料理をインドシナ料理って言うんだって。
それを専門とするレストランが蔵前にある。『Indochinoise』という店。フランス語でアンドシノワーズって読むらしい。
インドシナは宗主国だったフランスと華僑の影響を受けている。
ただ今はその当時の文化は縮小しつつあって、ここの店主はそれを残したいという思いで日本で紹介することをライフワークとしている。いと素晴らしき変人。
当時は大皿料理がメインで、このお店ではそれを再現しつつ、皿や調度品もその時代のものを使っているらしい。素敵やん……。
が、そんな店だからか、かなり尖りがある。
まず、事前予約制で、大皿料理だから4名からしか予約できない。メールかインスタで、電話は不可。
そして、「料理とお酒の店です。ノンアルは基本ご遠慮ください。」とホームページに書いてある通り、酒を飲まんかい!という縛り。
あと Google や食べログの口コミ禁止……。
当日ヤバめ料理人が出てくるのかとビクビクしながら訪れたら、すごい人の良さそうなおじさまとお姉様が切り盛りしてた。
料理は、コースのどの料理もウメー!オモレー!という感じだった。
特に『ラープ』。
草。
文字通り。
ラオスで一番有名な料理らしい。
白身魚と数種類の葉野菜を濁り魚醤とライムで和えたもの。
ハッピーな味がした。
他にも、『ゴイ・バップ・チューイ』『チャーカー』などオモロウマ料理があった。
カオニャオ・マムアン
タイ料理、通称マンゴーライス。
カレーライスみたいに、ライスの隣にマンゴー。フザけたビジュ。
タイで店員におすすめと言われてギャグかと思った。
見た目はオサレだけど……って頼んだ。
脳内で味を想像してみてほしい。
マンゴーと米を口に入れて咀嚼してみてほしい。
……美味しいわけがない。
でも、騙されたと思って一回食べてくれ。
奇跡の調和、唯一の正解ルートがある。
カオニャオ・マムアン……。
THE GRABBER『クラシックチーズバーガー』
秋葉原と神田の間に新しくオープンしたハンバーガー屋さん。
ここの『クラシックチーズバーガー』が人生史上一番美味しいハンバーガーだった。まだ一回しか食べてないけど。
というかもはや美味しいとか食とかそういうのじゃない。
哲学。
ハンバーガーへの思想。
それがパーフェクトに一致していた。
パティ、バンズ、ピクルス、ポテト……。
特にパティ、食べた瞬間に口の主導権が全て"肉"に持っていかれる。とにかく肉々しい。
LOVE
おわり